主張 在日米軍とコロナ 感染情報の提供と公表直ちに

主張 在日米軍とコロナ
感染情報の提供と公表直ちに

2020年4月15日【2面】

 在日米軍内での新型コロナウイルス感染の実態が闇に包まれています。米国防総省が基地や部隊ごとの米軍関係者の感染状況を公表しない方針を決め、安倍晋三政権がそれを容認しているためです。しかし、基地ごとの感染者の発生状況は、そこで働く日本人従業員や周辺住民をはじめ、国民の安全に不可欠な基本情報です。米軍に対し、必要な情報の公開を求めるのは当然です。

基地の状況明らかにせず

 日本には、米兵約5万7000人と軍属約7000人が駐留し、それらの家族も住んでいます。基地で働く日本人従業員は約2万6000人に上ります。基地の外に居住する米兵も増加しているとされ、在日米軍内で感染が確認されれば、必要な情報が日本側に直ちに伝えられる必要があります。

 在日米軍関係者の新型コロナの感染状況については、米国防総省が3月30日(現地時間)に個別の事例を非公表とする方針を示すまでは、各基地が不十分ながら公表はしていました。

 それによると、感染者は3月31日までに、▽米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)所属の米兵5人(うち2人は基地外居住)▽米陸軍相模原住宅地区(同県相模原市)居住の家族1人▽米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町、北谷町、沖縄市)所属の米兵2人と家族1人―でした。米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)では例外的に4月3日に感染者1人が出たことを明らかにしています。

 感染状況が公にされなくなって以降も、米メディアは横須賀基地所属の原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員15人が新型コロナに感染していると報じています(9日)。在日米軍内でも感染が広がっていることは疑いありません。

 日本政府は、日米間の合意に基づき、感染者の必要な情報は米軍の医療機関と地元保健所との間で共有されていると説明します。ところが、3月28日に嘉手納基地で感染者が発生した際、基地から沖縄県の保健当局に一報はあったものの、行動履歴や濃厚接触者の状況、県民との接触の有無などの詳細は伝えられませんでした。政府がいくら「米側から適切に情報提供を受けている」と強調しても、そうした情報が明らかにされなければ検証しようがありません。

 米国防総省は、基地や部隊の個別の感染状況を非公表にした理由を「安全保障上、米軍の運用に影響を与える恐れがある」とし、日本政府はそれを当然視しています。しかし、米軍基地での新型コロナの感染拡大に関する情報は、国民に注意を喚起する上で絶対に必要です。在日米軍の「運用」を優先して情報を伏せるのは国民の安全をないがしろにするもので、感染抑止に真剣に取り組む姿勢ではありません。

地位協定の改定が必要

 在日米軍内での新型コロナ感染拡大は、日米地位協定の問題も浮き彫りにしています。

 同協定9条は「合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される」としています。日本政府は米国を含め過去2週間以内に海外に滞在した外国人の入国を認めないことにしていますが、米兵は協定上、日本に自由に出入りすることができます。この点からも地位協定の抜本改定が必要です。

(しんぶん赤旗 4/15より)

 

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