利用を守る努力必要
著作権法案可決 畑野氏が要求
2020年5月24日【2面】
海賊版など違法に公開された著作物のダウンロード(DL)の取り締まり対象を広げる著作権法改定案が22日の衆院文部科学委員会で採決され、全会一致で可決されました。
現行法は音楽や映像の違法DLには刑事罰を科します。改定案は違法DLの対象を映画・音楽以外の著作物全体に拡大。自由なネット利用が萎縮する懸念をふまえ、軽微な複製や二次創作物、著作権者の利益を害しない特別の事情がある場合は違法化の対象から除きました。
同日の質疑で日本共産党の畑野君枝議員は、著作物全般だけでなく音楽や映像の違法DLについても、違法に公開されたものと知らなかった場合は違法とならない旨の規定が改定案に明記された趣旨を確認。今里譲文化庁次長は「侵害コンテンツと知らず録音録画を行った場合は違法とならないことを明確化した。刑事罰に関しても同様の規定を追加した」と述べました。
畑野氏は参考人質疑で、改定案は著作権とネット利用を守るバランスの「ぎりぎりの妥結点」との発言があったことに触れ「懸念が残っているのも事実。これまで以上に啓発や著作権教育が必要だ」と要求。「海賊版対策の本筋はアップロード対策の抜本強化にある」として対策や財政支援を求めました。
(しんぶん赤旗 2020/5/24より)
萩生田光一文科相は「充実した普及啓発教育を進める」「海賊版サイトの収入源を絶つ広告出稿抑制や国際連携強化などを推進し、予算も確保する必要がある」と述べました。