「先生や保護者の声を尊重した教科書採択をしてほしい」。神奈川県藤沢市で、市民の声と運動が実りました。
同市教育委員会は2011年から、現場の評価が著しく低かったにもかかわらず、市立中学校の歴史、公民の両教科書に、侵略戦争を正当化し改憲を誘導する育鵬社を採択してきました。しかし、21年度からの教科曾を決めることし7月31日の採択では、両教科書として東京書籍を選んだのです。
採択傍聴に訪れたのは定員75人を超す151人。抽選に外れた人は別会場の音声中継で採択を見守りました。
採択後、教科書採択問題に取り組んできた 「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」と「みんなの教育・ふじさわネット」は市内で集会を開きました。
「みんなの教育・ふじさわネット」の持田早苗さんが不採択を報告すると、参加者は拍手。松本一郎代表は「市民がおかしいと声を上げ続けてきた結果だ」と強調しました。
「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」の樋浦敬子さんは、3団体で取り組んだ、現場の先生や保護者の意向を尊重した採択を求める署名は合計3万8702人分を提出したと報告しました。
参加者は、市教委が教科戮の調査書まとめや教科書展示会で寄せられた意見を公表していることを評価。県内では育鵬社を使う横浜市の採択が4日にあることなどを踏まえ、「藤沢の結果が全国への大きなエールになれば」との期待が語られました。日本共産党の味村耕太郎市議が参加しました。
(しんぶん赤旗 2020/8/4より)