カジノ汚職の温床 断念こそ
かながわ市民オンブズマン代表幹事の大川隆司弁護士の話
2020年8月25日【社会】
カジノを中核とする統合型リゾート(IR)は莫大(ばくだい)な利権が絡む事業です。カジノに関連する企業による贈収賄事件が発生することは、はじめから予想されていました。汚職の温床になることは分かりきったことです。
安倍政権は刑法が禁じる賭博であるカジノの解禁を推進してきましたが、事業者を選定する手続きの透明性が全く確保されていません。横浜市は最終的に選定された事業者名だけは公表すると説明していますが、エントリーした事業者名は永久に公表されません。行政の手続きがブラックボックスになっていることは、汚職が横行する最大の原因です。
そのような中で今回の贈収賄と証人買収の事件が起きたといえます。政界を巻き込んだ買収工作のような動きは、いくらあってもおかしくありません。
林文子横浜市長は、カジノの利益が市の財政と地域経済に貢献するなどと訴えて誘致を表明しました。しかし、その裏に大きな害悪があることに目を向けるべきです。引き続き誘致に動くことは許されず、一日も早く断念すべきです。
(しんぶん赤旗 2020/8/25より)