川崎市の「台風19号多摩川水害を考える川崎の会」は30日、昨年10月の台風19号で、増水した多摩川の水が排水管を逆流し、高津区、中原区などの市街地で大規模な浸水が発生した問題で、市に損害賠償を求める訴訟の学習会を行いました。
浸水被害では、当時多摩川が増水し逆流が起きているにもかかわらず、市は逆流を防ぐための排水管の水門を閉じる措置を怠っていたことが問題視されています。
被災者からの浸水被害の賠償や再発防止の求めに対し、市は「市として補償や賠償を行うことは難しい」などと答え、責任を認めていません。
同会は、このままでは行政の被災者に対する救済は進まず、被害を受けた住民たちが 「泣き寝入り」することになるとして、訴訟へと踏み切ることを決めました。
川崎合同法律事務所の西村隆雄弁護士は 「今回の水害は想定外の自然災害ではなく 『人災』。市に加害者としての責任を認めさせていくことが重要だ」「川崎市の統計で被災件数は2650件に及ぶ。被災者が共同し、大きな原告団をつくることが必要だ」と話しました。
(しんぶん赤旗 2020/9/1より)