無期転換逃れは悪質
神奈川 日通雇い止め裁判が結審
2021年1月29日【地方総合】
日本通運(東京都港区)契約社員の岩本久芳さん(40)による雇い止めの撤回を求める裁判の口頭弁論が28日、横浜地裁川崎支部であり、結審しました。判決は3月30日。
岩本さんは2013年から同社川崎支店で1年ごとの更新の有期雇用でしたが、「無期転換申し込み権」が発生する満5年の1日前に雇い止めされました。
最終意見陳述で岩本さんは、職を失わないためには雇用契約書の「5年を超えて更新することはできない」という条項に同意せざるを得ず、選択の余地はなかったと主張。職場の所長2人が法廷で「職場に必要な人材だった」と証言したことをあげ、「会社のやっていることは絶対におかしい。裁判所にはおかしいことはおかしいと認めてもらい、一人でも泣き寝入りしている人がいなくなってほしい」と訴えました。
原告弁護団の川岸卓哉弁護士は、契約書の更新上限5年という条項は、企業が無期転換ルール逃れのために用いた悪質な手法だと批判。「契約書の文言だけで判断するべきではない。非正規雇用労働者が置かれる不公平な実態を見ずしては社会正義にかなった判決とはなりえない」と強調しました。
(しんぶん赤旗 2021/01/29より)