国は安全配慮義務違反 神奈川 防大いじめ裁判で原告側

国は安全配慮義務違反
神奈川 防大いじめ裁判で原告側

2021年2月4日【地方総合】

 防衛大学校(神奈川県横須賀市)の元学生の男性(26)が在学中に受けたいじめが原因でうつ病を発症したとして、国と当時の上級生1人を相手に損害賠償を求める裁判の第5回口頭弁論が3日、横浜地裁(田中真紀裁判長)でありました。

 原告弁護団は、昨年12月の福岡高裁での同様の控訴審判決では、防大の中でのいじめに関して国の安全配慮義務違反を認め、約268万円の損害賠償を命じたことを紹介。本件と福岡の原告はどちらも2013年の入学で、学生間で暴力や精神的苦痛を与える行為が日常的に行われていた状況は同じであったと指摘し、福岡高裁判決を参照するべきだと述べました。

 男性がうつ病などの精神疾患を発症したのは、上級生らによる一連のいじめの結果であることは明らかだと指摘。また、教官らが上級生らのいじめが原因で男性がリストカットに及んだり過呼吸になったりしていることを知りながら、いじめを止める指導をしなかったのは国の安全配慮義務違反だと指摘しました。

 報告集会で、原告男性の父親が「たくさんの人たちの支援のおかげで、息子の表情がよくなってきた。これからもよろしくお願いします」と話しました。

(しんぶん赤旗 2021/02/04より)

 

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