小中30人1700億円で可能
衆院委 畑野氏に文科省が試算
2021年3月18日【2面】
衆院文部科学委員会は17日、小学校全学年を35人学級とする義務教育標準法改正案を全会一致で可決しました。先立つ質疑で文科省は、2019年度の児童・生徒数を前提にすれば国庫負担1700億円で小中学校全学年を30人学級にできるとの試算を初めて示しました。日本共産党の畑野君枝議員への答弁。必要な追加教職員数は約8万人です。
畑野氏が小中学校での30人学級の実現を求めたのに対し、萩生田光一文科相は「中学校も含めて、最終的には30人以下が理想だ」と応じました。
同省はまた、中学校全学年の35人学級化に必要な教職員数は約1万6千人、国庫負担は350億円との試算も示しました。畑野氏が、中学校での検討を求めたのに対し、萩生田氏は「しっかり進めていきたい」と述べました。
小学校の35人学級について同省は21年度から5年かけて実現する計画。畑野氏が法案上は前倒しも可能かとただすと、滝本寛初等中等教育局長は「(法案は)具体的な整備のスケジュールまで規定していない」と認めました。
畑野氏はまた、教室不足が少人数学級実現の壁になっている地域があるとし、学校統廃合の見直しと使われなくなった校舎の再活用の検討を要求。滝本氏は、文科省が自治体に統廃合を求めることはないとし、少人数学級の実現に「廃校施設を利用することも考えられる」と述べました。
委員会は法案可決後、中学校全学年での35人学級や高校の学級編成について検討する、少人数学級実現と引き換えに必要な加配定数を削減しない、教員免許更新制の大幅な縮小や廃止を検証・検討する―ことなどを政府に求める付帯決議を全会一致で可決しました。
(しんぶん赤旗 2021/03/18より)