米軍訓練空域 都心上空 勝手に設定
塩川議員 主権侵害 政府は撤回させよ
2021年4月20日【1面】
世界有数の人口密集地である東京都心上空で米軍ヘリが繰り返す低空飛行訓練。日本共産党の塩川鉄也議員は、米軍資料を示し、米軍自らが都心上空を訓練区域に設定している実態を明らかにしました。
塩川氏が14日の衆院内閣委員会で示したのは、2013年4月21日に米軍横田基地が主催した「関東航空機空中衝突防止会議」の資料。横田基地所属のヘリコプターである「UH1トレーニングエリア(訓練区域)」と題した地図には、赤坂プレスセンター(東京都港区)から横田基地、キャンプ座間、厚木基地、横須賀基地など都心から神奈川県東部に連なる米軍基地を含めた広範囲が訓練区域に指定されていることを示しています。
防衛省は同会議に関し、空中衝突防止対策を日本の民間パイロットと認識を共有するためのもので、自衛隊も参加したと回答。塩川氏は「都心上空に訓練区域を設定していることを自衛隊は知っているのに意見を言わず、容認するのか」と批判しました。
防衛省の青木健至地方協力局次長は、同区域での米軍機の運用は承知していると認めながら、「東京都上空に米軍訓練のために提供している空域はない」と強弁。塩川氏は「米軍が勝手に設定しているということで主権侵害だ」と批判。「危険な飛行訓練はやめさせ、訓練区域も撤回させよ」と強調しました。
見て見ぬふりの日本政府
麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会の板倉博共同代表の話 米軍は、都心上空でも住民の安全を考慮せず、日本全国やりたい放題であるのが明らかになりました。
米軍ヘリの都心での訓練・遊覧飛行は私も今まで見てきました。人口密集地でさえ勝手放題に低空飛行する米軍機は許せません。
明らかに危険な訓練ですが、日本政府は見て見ぬふりをしています。私も防衛省に要請しましたが、ビルより低い高度を飛行する米軍ヘリの映像を示しても、担当者は「映像では分からない」と認めませんでした。事実を認めず、米国にものが言えない態度に憤りを覚えます。いったいどこの国の政府なのか。
(2021/04/20より)