(しんぶん赤旗 3/14より)
新型コロナ 雇用Q&A
2020年3月14日【3面】
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、子どもを持つ人が仕事を休まざるをえなくなったり、会社の臨時休業による自宅待機や、さらには解雇されたりするケースも出ています。こうした場合にどうすればいいか、国や企業に求められる措置をみてみると―。
自宅待機 賃金は?
最低でも6割以上に
雇用主の都合で休業する場合は、正規・非正規を問わず、本来は雇用契約に基づき賃金は全額が保障されるべきものです。
労基法でも最低で6割以上の賃金を保障しなければなりません(26条)。労働組合に入るなどして請求していくことが必要です。
「無給で自宅待機」とされた兵庫県三田市の学校給食センターの臨時職員は、労働組合の要求で撤回させ、子どもの学校休校で休暇を取っても有給となる制度を実現しました。
学校休校 賃金は?
助成を申請させよう
政府は、賃金全額を支払って休ませる場合(特別休暇)、1日8330円を上限として会社に助成金を出すとしています。しかし、上限を超える分は雇用主の持ち出しとなり、保証はありません。会社に求めたり、組合などで交渉して実施させたりすることが必要です。
また政府は、雇用でないフリーランスなどにも休業補償を発表しましたが、4100円と雇用労働者の半分。イベントなどが中止になった場合などは対象外です。改善させていくことが必要です。
公務員や公務職場 非常勤職員は?
有給の特別休暇付与
国の人事院や総務省は、国家公務員や地方公務員、公務職場の非常勤職員について、学校休校で子どもの世話のため仕事を休む場合、「有給の特別休暇」を付与するよう求める通知・連絡文書を出しています。
これらも活用しながら、当局などに有給休暇の付与を求めていきましょう。
体調不良 休むと?
会社の指示なら有給
体調不良でも新型コロナかどうかわからないのに休めば、使用者に休業手当の支払い義務はかかりません。
会社から体調不良なら休んでといわれていれば有給です。ところが、休むと賃金が削減される会社もあります。これでは感染防止になりません。
しかし、予防措置を取ることは職場のためにもなります。有給での休業補償を求めていくことが重要です。
有給休暇は、入社して6カ月継続して働いていたら10日間が付与され、その後は1年ごとに1日増えます。パートもアルバイトも6カ月継続して働いていたら、有給休暇が取れます。
経営不振 解雇に!?
安易な乱用 無効です
経営不振だからというだけで、解雇や雇い止め(契約更新の打ち切りなど)を行うことは認められません。労働契約法第16条で、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする」と定められています。
経営不振の場合でも、(1)さし迫った解雇の必要性がある(2)解雇回避の努力が尽くされている(3)解雇者の選定基準、人選が公平・合理的(4)労働者、労働組合としっかり話し合いがされている―ことが条件です。(整理解雇の4要件)
解雇通告されたといって諦めず、労働組合などに相談するなどして解決しましょう。