感染爆発・医療崩壊を止める緊急提案 志位委員長が発表
外出自粛・休業要請と一体の補償、検査体制強化と医療現場への本格的財政支援を
2020年4月17日【1面】
日本共産党の志位和夫委員長は16日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス感染症問題について、「感染爆発、医療崩壊を止める緊急提案――外出自粛・休業要請と一体の補償、検査体制強化と医療現場への本格的財政支援を」を発表しました。安倍政権の新型コロナ対策補正予算案への提起です。(全文3面)
志位氏は、安倍政権の新型コロナウイルス感染症対策の「緊急経済対策」とそれにもとづく補正予算案の最大の問題点について、「『外出自粛や休業要請と一体に補償を』という国民の圧倒的多数の要求に背を向けており、これでは感染爆発を抑止する実効性はありません」と指摘。「もう一つの問題点は、すでに始まっている医療崩壊を阻止するための実効ある措置が全く盛り込まれていないことです。これらをただちに改めなければなりません」と強調しました。
提案では▽外出自粛・休業要請などによって、直接・間接の損失を受けている、すべての個人と事業者に対して、生活と営業が持ちこたえられる補償をスピーディーに実施する▽医療崩壊を止めるために、検査体制を抜本的に改善・強化するとともに、医療現場への本格的財政的支援を行う▽介護・障害者など社会保障の体制を守り、ジェンダーの視点での対策をすすめる▽消費税5%への減税に踏み切る―ことを求めています。
このなかで、志位氏は、緊急に、すべての日本在住者を対象に1人10万円の給付金を支給するとして「給付は、住民登録されている市町村を窓口に、諸外国で行われているように、本人確認ができる簡易な申請(郵送やメールなど)で指定された口座に振り込み、住民登録や銀行口座がない人にも福祉窓口などから支給できるようにします」と述べました。
また、志位氏は、「感染経路不明の患者が急増するもとで、従来のような集団感染(クラスター)を追う検査方法は限界です。ここで大量検査の体制に転換しなければなりません」とのべ、PCR検査センターを各地につくり、必要な人を速やかに検査する体制をつくることが急務だとのべました。
医療関係者の提言などをパネル(図)で示して紹介。「かかりつけ医にまず電話し、検査の必要ありと判断されればPCR検査センターで診察・検査を受けることができる仕組みをつくろうという提言ですが、合理的な提案だと思います」とのべ、この仕組みに転換すれば、(1)大量の検査ができる(2)疲弊している保健所の負担を軽減することができる(3)医療機関を感染から守ることができると強調。「こうした体制への転換が強く求められます。政府は真剣に検討・実行すべきです」と述べました。
(1面のつづき)
さらに、志位氏は、介護・福祉施設への支援・補償の重要性について強調したうえで、「ジェンダー差別が、コロナの危機のもとでも深刻な矛盾として表れています」と述べ、DV(配偶者などからの暴力)や虐待に対する相談窓口やワンストップ支援センターなどの相談・支援体制を緊急に拡充し、緊急避難先を確保すると主張。また、政府の対策には学生が抜け落ちているとして、アルバイト収入減を補償し、休校期間中の学費は国が補てんして返還すると語りました。
記者団から財源について問われ、志位氏は「消費税5%への減税は、恒久財源として富裕層・大企業の応分の負担で対応をすべきです。その他の財源については、つなぎの国債で賄っていくという考えです」と述べました。
「1人10万円の給付金」で「すべての日本在住者を対象に」という提案について、志位氏は「ロンドンに住む日本人も、ベルリンに住む日本人も、平等に補償措置を受け取っています。日本もそうしなければなりません。国際的な連帯と協力が何より必要です」と語りました。
(しんぶん赤旗 4/17より)