ベネッセ運営の教育情報システム
文科省、許可取り消しも
2020年7月11日【1面】
高校生の課外活動などを記録し、大学入試で「主体性」を評価するデータベースとして開発された「JAPAN e ポートフォリオ(JeP)」の運営許可の取り消しを、文部科学省が検討していることが10日、わかりました。
許可取り消しが検討されているのは、一般社団法人教育情報管理機構です。同機構に職員はおらず、事務は関西学院大学、運営サポートはベネッセに委託しています。
同省は過去2回の審査で、財務状況やプライバシーマークの取得などの改善を求める条件を付けて、運営を許可していました。「大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議」が6、7月に行った審査では、どちらの条件も満たしていませんでした。このため同省は、取り消すかどうか近く決定します。
同省の担当者は「利用する大学が少なく、財務状況が厳しいため、改善の見込みがないと厳しい意見をもつ委員が多い」と話します。
JePを利用するには、ベネッセのIDが必要です。ベネッセはJePに連携できると全国の高校に営業し、120万人が同社の有料ソフトを利用しています。これに対し、「個人情報が民間業者の利益追求に利用される」と高校生や教員などから批判の声があがり、野党は3月5日、JePの活用を廃止する法案を共同で提出していました。
高校現場大混乱 政権の責任追及
畑野君枝衆院議員の話 JePについては2月の予算委員会で、ベネッセが高校生の個人情報を利用する危険をとりあげました。運営はずさんで、許可取り消しは当然です。安倍政権の大学入試改革が、高校現場を大混乱させました。その責任を追及していきます。
(しんぶん赤旗 2020/7/11より)