川崎 差別街宣に抗議
禁止条例施行 市民ら監視行動
2020年7月14日【社会】
全国初となるヘイトスピーチを禁止する罰則付きの条例が7月から施行された川崎市で12日、排外主義団体がJR川崎駅前で行った差別街宣に対し多くの市民が抗議の声をあげました。差別発言がないか、市の担当者も現場で監視。集まった市民は「条例違反です」「ヘイトスピーチを監視中」などのプラカードを掲げました。
川崎市議会で昨年12月に全会一致で可決され、今年7月から施行された「差別のない人権尊重のまちづくり条例」(人権条例)。外国出身者に対する差別的言動を繰り返し行い、市長からの「命令」に違反した場合には最大50万円の罰金という刑事罰に処されます。
この日、排外主義団体は鉄柵に囲まれながら約2時間にわたって演説。あきらかなヘイトスピーチはなく、「条例は日本人差別」「ふるさと納税をして、川崎市に税金を納めない」など支離滅裂な発言に終始しました。
川崎市に住む城谷創一さん(52)は、12歳の息子と一緒に差別街宣に抗議しました。「ずっと暮らしてきたこの街で、差別発言が繰り返されることは絶対に許せない。条例は、そうした市民の声でつくられた誇りあるものです。街宣そのものをなくしたい。条例を力に、市も毅然(きぜん)と対応してほしい」と語りました。
日本共産党川崎南部地区委員会は、差別街宣が行われているすぐ近くで周知行動をしました。畑野君枝衆院議員、片柳進、後藤真左美両川崎市議らがマイクを握り、条例の中身や党の政策を紹介。「ヘイトスピーチ根絶のため、市民のみなさんと街頭に立ち続けます」と訴えました。
(しんぶん赤旗 2020/7/14より)