「やったね」-。横浜市立中学校で2021年度から使う歴史と公民の教科轡で育鵬社が不採択となり、市民団体「横浜教科讐採択連絡会」が用意した市内会場でインターネット中継の審議を見ていた人たちは拍手と歓声を上げました。
″たたかいの結果″
市役所前の集会で事務局の土志田栄子さんは「これで4年間、子どもたちにひどい教科沓を渡さなくてすむことになる。おとなとしての責任を果たすことができました」と笑顔を見せました。
採択は、教育長と教育委員の計6人による無記名投票で行われ、歴史は帝国書院が4人で育鵬社が2人、公民は東京書籍が5人で育鵬社が1人となったため、多数を占めた帝国沓院と東京書籍と決まりました。
同市は09年、18行政区中8区で戦争を肯定する「つくる会」系の自由社の歴史教科書を採択。以降は全市―採択区として歴史と公民で、H年、15年、19年と続けて育鵬社を採択してきました。
会議を直接傍聴した戸塚区の伊藤悦子さん (79)は「委員の人たちが自分の意見を言っていて良かった」と語り、金沢区の伊藤晃さん(77)は「本当に長いたたかいの結果で
す。今後も頑張りたい」と話しました。
採択後の集会では参加者から、採択結果を喜びつつも、全市1採択区の課題や育鵬社を選んだ委員もいること、全国でも育鵬社の採択が狙われている問題などが出され引き続き声を上げていく必要性が強調されました。
横浜市教科書問題市民・有識者会議(藤岡貞彦代表)は同日、採択結果を子どもたちや学校現場を第一に考えた決定だと評価する声明を発表しました。
(しんぶん赤旗 2020/8/5より)