住民投票実現へ市議会動かそう

 法定数の3倍以上が寄せられた署名を生かし、横浜市へのIR(カジノを中核とする統合型リゾート)誘致の是非を問う住民投票を実現できるのかどうかー。来年1月にも
開かれる市議会で賛成多数で議決されれば、住民投票が実施されます。運動は正念場です。

 「署名に表された市民の声を受け止め”カジノ賀成の議員も含め市議会の総意で採択を”という世論を大きく強くしましょう。運動は道半ばです」-。3日、横浜市神奈川区で開かれた「カジノの是非を問う住民投票条例制定を求める区民集会」で岡田尚弁護士が呼びかけました。

民意は

 次に乗り越えるハードルは、自民・公明が多数を占める市議会での可決です。岡田弁護士は「20万の署名は大きな民意。自民、公明の市議にも、カジノに反対してくれではなく、賛否を市民に決めさせてほしいと訴えよう」と強調しました。
 林市長は「住民投票でカジノ反対が多数であれば誘致は撤回する」と表明しています。
 署名運動を通じて住民投票実現の条件は発展しました。世論調査では、カジノ反対が圧倒的。賛成の人でも半数近くが住民投票実施を望んでいます。署名の中で生まれた数々の経験がそれを実証しました。
 神奈川区の集会で発言した女性は「30年以上住んでいる団地だが、最初の1ヵ月は訪問する勇気がでなかった」と心境を吐露。足を踏み出してみると、ほとんどドアが開き、カジノ反対が多数。
 「署名はどこでしたらいいのか知りたかった。来てくれてありがとう」の声に励まされ、100人を超える署名を集めました。「子ども夫婦が署名しているのを見て『私もぜひ』と90代の女性が署名」「カジノは反対ではないが、住民投票で決めるのは賛成だと署名」など、笑顔の発言が相次ぎました。

草の根

 署名運勁を進めてきた「カジノの是非を決める横浜市民の会」の賛同団体には、立憲民主党、日本共産党、国民民主党、神奈川ネットワーク運動、社民党、れいわ新選組、新社会党、緑の党が名を連ね、連合傘下の横浜市教組や私鉄労組、保険医協会や新日本婦人の会などの市民団体も加わっています。
 運動をけん引したのは、市内18の行政区ごとの草の根の創意ある活動。藤木幸夫横浜港運協会前会長や梅沢健治元自民党県運会長が「カジノは絶対反対」と発信するなどの広がりも生まれました。
 横浜市で住民投票が実施され、IR誘致に「N〇の審判」が下れば、IR誘致問題の大本にある政府の推進姿勢、カジノ誘致問題をかかえる他の自治体にも大きな影響を与えることは必至です。

(しんぶん赤旗 2020/12/12より)

 

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