神奈川県は13日、県内の病院に対し、新型コロナの認定病院でなくても原則として自院で治療をすることを通知しました。
院内の感染管理に携わる担当者は「大変なことになった」と言います。「私たちは、擬似症(感染疑い)の人を受け入れ、陰圧の機材なども導入していたので準備は整っていましたが、準備のない病院に急に診てくれというのは、これまでの感染管理の常識からは逸脱している。院内感染もしょうがないと考えているように見えてしまう」と懸念します。
業務ほについて「1波、2波、3波関係なく、ずっとしんどい。当初は、手探りの中での忙しさ。今は感染防御など分かっていても、感染自体が増えているので・・・」
■人員確保課題
コロナ擬似症、陽性患者と接することに看護師の受け止めは-。
担当する看護師の選抜は当初、一人暮らし、幼い子どもがいない、高齢者と同居していない人などに声をかけていました。
看護部長は「防護服を脱げば安全なので更衣室は共有していますが、心配だというような発言も最初はありました。今は感染症対応の知識も深まり、そういうことはありません。コロナ対応のメンバーも広がり、ローテーションを組んで負担軽減に努めています」。
それでも人員確保が課題。保育園が人数制限のため自宅で育児せざるを得ず、復職したくても休職せざるを得ない看護師もいます。
現場の要望で大きいのは「休みと補償」。コロナ病棟担当の看護師にインセンティブ(報奨金)をもう少しつけてくれるとモチベーションがあがるとの声もあがっていますが、医療機関への補助金は不十分です。
看護部長らは「非常にデリケートでバランスをとるのが難しく、管理職の手当は減らさざるを得ないのが現状。だからこそ医療機関への減収補てんも必要だ」といいます。
感染管理者は「医師・看護師の激務にスポットがあたっているが臨床検査技師も大変です」といいます。一般患者の検査に加え、PCR、血液などコロナ関連検査がのしかかります。24時間救急を受け入れているので、限られた人員の中で「時間外労働の上限を守る
のが精いっぱい」。
臨床心理士のカウンセリングを、検査技師が優先して受けられる体制を整えました。
■感謝が励みに
退院した患者さんが″新型コロナで忙しいときに資重な時間を践やしてくれてありがとうございます”と手紙を寄せました。民間ボランティアによる病院職員への食料支援もありました。「食べることに困っているわけではないけれど、ありがたかった」と職員の励みになりました。
看護師が語ります。「緊急時、すぐ集まるようになり、チームワークが良くなりました。私たちが何をすべきなのか今の情勢の中でわかりやすくなりました。患者さんに寄り添うのが私たちの使命です」
(しんぶん赤旗 2021/01/26より)