2019年10月の台風19号で浸水被害に遭った川崎市高津区、中原区の住民らが9日、市に対して損害賠償を求める訴えを横浜地裁川崎支部に起こしました。
原告団には72人が参加。浸水被害が大きくなったのは、台風で増水した多摩川の水が住宅地に逆流した際、市が逆流を防ぐための排水管の水門を閉じる措置を怠っていたことが原因だとして、―人100万円の慰謝料と、家屋、家財、休業損害、治療費など総額約2億7000万円を請求。今後さらに原告を募集し、2次提訴を目指すとしています。
提訴後の会見で原告団長の川崎晶子さんは、「浸水被害で生活がぐちゃぐちゃになった。思い出すと今でもつらい。なぜ水害に遭わなければならなかったのか知るためにやれることはすべてやった、残る手だては裁判だけだ」と話しました。
原告弁護団長の西村隆雄弁護士は「裁判で市に責任を認めさせ、対策を怠れば多額の出費を要することを明らかにし、再発防止策を実施させたい」と話しました。
(しんぶん赤旗 2021/03/13より)