やっぱり少人数学級 菅首相“35人学級 中学校も検討”
畑野氏質問 運動に弾み
2021年3月14日【1面】
畑野氏が「中学校でも実施を」と菅首相の答弁を引き出したのは2月15日、衆院予算委員会でのこと。政府は2021年度から、小学校全学年を段階的に35人学級にする計画を決定。畑野氏は現場の声や国際比較を示して菅氏に迫りました。
「中学校でも少人数学級を」―。切実な願いが、ようやく国に届きました。日本共産党の畑野君枝衆院議員の国会質問に対して菅義偉首相が、中学校でも少人数学級の実施を検討すると、歴代首相としては初めて明言。国や自治体に実現を迫る運動にとって大きな力となる首相答弁として、歓迎されています。(関連4面)
(染矢ゆう子、堤由紀子)
畑野 世界の流れは30人学級、20人程度の学級です。今回一歩踏み込んだわけですから、日本でさらに前に進むべきだと思います。小学校35人にとどまらず、中学校でも35人に進むべきではありませんか。
菅 まず、この35人学級を実施する中で、少人数学級の教育に与える影響だとか外部人材の活用の効果、こうしたことについてしっかり検証を行った上で、その結果も踏まえて、望ましい指導体制のあり方についてこれから引き続きしっかりと検討していきたいと思います。
畑野 そうすると、菅総理、その検討の中には当然中学校も入ってきますよね。
菅 今、私、中学校を念頭に申し上げました。
この答弁に先立って菅氏は、小学校の35人学級化で「子どもの状況を把握をし、一人ひとりにきめ細やかな教育が可能になると思っている」と教育的効果を認めていました。
全日本教職員組合(全教)の調査では21年度、国に先行して16県3政令市が小3以降の35人以下学級を進めることが明らかになりました。檀原毅也書記長は「国が動けば大きく前進する。中学校も含め検討すると答弁させたことは、大変重要です」と言います。
小学校では段階的な実施が実現されるとはいえ、予算案では教員はむしろ減らされ、教育予算も増えていません。檀原さんは「小学校でも中学や高校でも、さまざまな思いを抱える子どもの声を丁寧に聞き、ともに考えることがますます重要になっている」と指摘。「教育予算を抜本的に増額し、教員を増やして高校まで含めて少人数に踏み出すべきです。首相答弁はそれを求める上で大きな力になります」と話しています。
(しんぶん赤旗 2021/0314より)