聖火リレーに中学生を動員 アシックス製品着用強要 神奈川・藤沢 市民「違和感」

聖火リレーに中学生を動員 アシックス製品着用強要
神奈川・藤沢 市民「違和感」

2021年5月28日【社会】

 神奈川県藤沢市が市内中学生に東京オリンピック聖火リレーの後方を走る「サポートランナー」参加を募集しています。このことに対し、市民団体「みんなの教育・ふじさわネット」が懸念を表明しています。

 同市教育委員会は12日付文書で市内中学校長と白浜養護学校長に対し、教育総務課長と東京オリンピック・パラリンピック開催準備室長との連名で、辻堂神台公園内(入場制限あり)でのサポートランナーとして各校生徒1人を選出するよう依頼しました。

 そのさい留意事項として、生徒の服・靴・帽子はASICS(アシックス)社製品か他社製品のロゴマークやブランドネームなどがないものに限るとし、対応できない場合はテープなどでロゴなどを隠すよう指示しています。

 この文書を知った同ネットは21日、市教委と準備室を訪れ、「オリンピック精神に反する」と抗議しましたが、準備室の赤坂政徳室長は「(扱いが)スポンサー企業とまったくお金を出さない企業とが違うのは当たり前のこと」だと言い、市教委は「(参加は)希望者と確認している」と述べるのみでした。

 同ネットは25日、コロナ感染拡大の中、今回の募集と子どもたちが参加する関連諸行事の中止を求め、留意事項について「大きな違和感がある」と指摘する要請書を市教委に提出しました。

 同ネット運営委員で元中学校教師の持田早苗さんは「企業の論理が参加の条件として最優先にされ強制されることは、子どもたちの走りたい思いを踏みにじるようなもので、およそ教育とはかけ離れています。子どもたちに胸を張って説明できるのか、改めて考え直してほしい」と話しています。

(しんぶん赤旗 2021/05/28より)

 

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