日本共産党の志位和夫委員長・衆議院議員は6月3日(土)午後5時から、横浜市の桜木町駅前で、総選挙での躍進に向けたスタートを切る街頭演説を行いました。街頭演説には、はたの君枝前衆議院議員、さいとう和子元衆議院議員が参加し訴えました。志位氏は、日本の政治を「もとから変える」党―日本共産党が伸びてこそ、平和と暮らしの切実な願いを実現できると語り、「総選挙で南関東から日本の世直しののろしをあげよう」と熱く訴えました。駅前を埋めた聴衆から大きな拍手が湧き起りました。
比例南関東ブロック候補の、はたの君枝前衆院議員は、少人数学級の実現などに取り組んできた実績を語り、「一人ひとりの尊厳が大切にされる社会を」と訴え。さいとう和子元衆院議員は、異常気象や物価高騰など国民の生活が窮地に陥るなかで、「国民の命を守る政治が今ほど問われている時はない」と力を込めました。
冒頭志位氏は、最終盤の国会の状況について報告。日本の進路を左右する重大法案が、岸田政権と自民党・公明党・維新の会・国民民主党の「悪法4党連合」によって推進されていると批判し、「これに真正面から対決しているのが日本共産党です。悪法の廃案に最後まで力を尽くすとともに、こんなとんでもない政治をしている勢力には、総選挙で審判を下しましょう」と訴えました。
「総選挙では日本の国のあり方が根本から問われます」―。志位氏は、戦争か平和かが問われ、経済社会が衰退する日本が問われるもとで、どの党も「改革」というが、他のどの党も言わない大切な問いかけが二つあるとのべ、「こんなアメリカ言いなりの国でいいのか」「財界のもうけ最優先の国でいいのか」と問いかけ。「日本共産党はこの二つのゆがみに正面から切り込み、政治を『もとから変える党』です。この立場をぶれずに貫いてこそ、いま国民のみなさんが持っている切実な平和と暮らしの願いを実現する道が開かれます。日本の政治を『もとから変える党』を伸ばしてください」と訴えました。
こんなアメリカ言いなりの国でいいのか
志位氏は、総選挙の最大の争点は岸田政権が進める敵基地攻撃能力保有と大軍拡を許していいのかだと強調。岸田政権の大軍拡の危険性を告発するとともに、この動きが「日本を守る」ためでなく、アメリカの対中軍事戦略に日本を組み込むためのものであることをズバリ告発し、日本共産党の「平和の対案」―東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」を力説しました。
その中で、党の提言「日中両国関係の前向きの打開のために」を両国政府に手渡して会談し、双方から肯定的な受け止めを得たことも紹介し、「中国に対して問題は問題だとはっきり言い、アメリカ言いなりの大軍拡に正面から対決する日本共産党ならではの提案です」と強調しました。
志位委員長は、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)で発表された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」で、被爆地から「核抑止力」論が宣言され、一方で核兵器禁止条約には一言も触れなかったと厳しく批判し、「アメリカ言いなりの『核抑止』という手かせ足かせを外し、核兵器禁止条約に参加するべきです」と訴えました。
日本共産党が「アメリカ言いなり」の根本にある日米安保条約を廃棄し、日米友好条約に変えようと提案していることを紹介し、「こういう党が伸びてこそ、大軍拡を止め、平和をつくることができます」と力を込めました。
こんな財界のもうけ最優先の国でいいのか
志位氏は、深刻な物価高騰のもと暮らしの悲鳴が全国に広がるなかで、格差が異常に拡大していると指摘。暮らしと経済を立て直すために、▽最低賃金1500円への引き上げ、大企業の内部留保への時限的課税など、政治の責任で大幅賃上げをはかる▽消費税5%への緊急減税とインボイスの中止―を訴えました。
さらに志位氏は、岸田政権の「異次元の少子化対策」の政府案が発表されたが、一言で言って看板倒れの内容だと批判し、日本共産党の「本気の子育て支援」を提案しました。
志位氏は、日本共産党が暮らし応援のために20兆円の財源政策を責任をもって提案していると強調。企業・団体献金を一切受け取らない党の姿勢を語り、「暮らしを良くするためにも『財界のもうけ最優先』の政治を変える立場で頑張り抜ける政党が必要です」と訴えました。
最後に、志位氏は、次のように訴えました。
「憲法には『国民主権』と書いてありますが、現実にこの国を牛耳っているのはアメリカであり財界です。このゆがみを『もとから変えて』、憲法通りの『国民が主人公』の日本をつくる。これが日本共産党です。この党が伸びてこそ、安心し、希望をもって暮らせる日本がつくれます」
★日本共産党の志位和夫委員長は3日、横浜市の桜木町駅前での演説の中で、「本気の子育て支援」として三つの点を提案しました。
第一は、子育て教育にかかわる「お金」の心配をなくすことです。志位氏は、▽学費は無償をめざし半額▽入学金廃止▽奨学金を貸与から給付に▽返済中の奨学金は半分免除▽学校給食費無償化―を訴えました。
第二は、学校、幼稚園、保育園などの子どもたちのための「人」を増やすことです。志位氏は、教員不足が大問題になっていると指摘し、抜本的増員で30人学級を実現しようと提案。保育士不足も深刻だとして、処遇改善と配置基準の引き上げで増員しようと述べました。
第三は、安心して子育てできる「働き方」です。志位氏は、財界の旗振りで労働法制の規制緩和が進められ、働く人の4割、女性や若者の5割が非正規雇用だと指摘し、「これでは結婚して子どもを産み育てる展望を持つことができません」と指摘。非正規は臨時的・一時的仕事に限り、希望するすべての人を正社員にするルールをつくろうと提案しました。
さらに、「家事も育児も一人でワンオペ」という多くの女性が置かれている状況を変えるために、長時間労働や単身赴任の規制など、子育てと両立できる働き方を実現しようと訴えました。